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消費税の計算
消費税の納付税額は、原則として、預かった消費税から支払った消費税を差し引いて算出します。
原則的な納付税額の計算方法(算式)
① 預かった消費税
② 支払った消費税
③ ①−②
例えば、1年間の預かった消費税が100万円で、1年間の支払った消費税が30万円の場合、消費税の納付税額は、70万円(100万円−30万円)になります。
簡易課税の計算
小規模に活動している、会社や個人事業主(フリーランス)については、上記の原則的な計算方法に代えて、簡易課税という簡単な計算方法で、納付税額を計算することが認められています。
簡易課税は、支払った消費税の計算方法が、上記の原則的な計算方法と異なります。
簡易課税では、預かった消費税にみなし仕入れ率を乗じたものを、支払った消費税とみなします。
簡易課税の納付税額の計算方法(算式)
① 預かった消費税
② 預かった消費税×みなし仕入れ率
③ ①−②
注)みなし仕入れ率は、業種別に、90%~40%の範囲で定められています。
簡易課税では、1年間の預かった消費税を集計するだけで、納付税額の計算ができてしまいます。1年間の支払った消費税を集計する必要がありません。
例えば、小売り業を営む会社の、1年間の預かった消費税が100万円で、1年間の支払った消費税が30万円の場合(小売り業のみなし仕入れ率は80%)、
簡易課税で納付税額を計算すると、
① 100万円
② 100万円×80%=80万円
③ ①−②=20万円
になります。
簡易課税では、納付税額が20万円になりました。
ちなみに、この会社が、簡易課税ではなく、原則的な計算方法で納付税額を計算すると、
① 100万円(預かった消費税)
② 30万円(支払った消費税)
③ ①−②=70万円
になります。
簡易課税を選ぶことで、納付税額を50万円(70万円−20万円)も削減することができます。
このように、簡易課税には、納付税額の計算が簡単で、しかも、納付税額を削減できるなどの特徴があります。
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還付って何?
預かった消費税より、支払った消費税のほうが多い場合、差額は還付されます。
還付とは、支払った消費税が返してもらえることをいいます。
消費税の還付税額(算式)
① 支払った消費税
② 預かった消費税
③ ①−②
例えば、1年間の預かった消費税が60万円で、1年間の支払った消費税が200万円の場合、消費税の還付税額は140万円(200万円−60万円)になります。
140万円が返してもらえます。
簡易課税でも、還付はあるの?
簡易課税の場合、還付はあり得るでしょうか?
簡易課税の算式は、
① 預かった消費税
② 預かった消費税×みなし仕入れ率
③ ①−②
でした。
簡易課税では、
② 預かった消費税×みなし仕入れ率
を、
支払った消費税
と、みなします。
簡易課税では、
② 預かった消費税×みなし仕入れ率
が、
① 預かった消費税
よりも多い場合、差額が還付されることになります。
しかし、みなし仕入れ率は、業種別に、90%~40%の範囲で定められています。
みなし仕入れ率は、90%~40%ですので、
① 預かった消費税
より
② 預かった消費税×みなし仕入れ率
のほうが多くなることはあり得ません。
このように、簡易課税を選択すると、還付を受けることができなくなります。
したがって、預かった消費税より、支払った消費税のほうが多くなりそうな場合は、簡易課税を選択しないほうが有利といえます。
多額の設備投資を行ったり、輸出販売を行っている場合、預かった消費税より、支払った消費税のほうが多くなることがありますので、ご注意下さい。