【簿記】小口現金と定額資金前渡制度を、ゼロから理解する

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問題

1月1日、当店は、定額資金前渡制度を採用するため、小口現金係を決定し、経理部門が小口現金係に現金50,000円を手渡した。

解答

小口現金の仕訳(定額資金前渡制度)

解説

電車代、電話代、消耗品代など、少額の支払いに必要なお金を、担当者を決めて管理させることがあります。

この担当者を「小口現金係(または用度係)」といい、小口現金係が管理するお金を「小口現金」といいます。

お店の経理部門が、小口現金係に、あらかじめ一定期間分(一ヶ月分・一週間分など)のある程度のお金(小口現金)を渡しておき、日々の少額な支払いには、このお金(小口現金)を使用してもらいます。

そして、小口現金係は、小口現金の使用状況を「小口現金出納帳」に記録しておきます。

なお、仕訳をするのは、経理部門です。小口現金係ではありません。

この問題は、経理部門が小口現金係に現金を手渡しています。

例えば、現金を普通預金口座に預け入れた場合、借方が普通預金(資産の増加)、貸方が現金(資産の減少)の仕訳をします。

同じようなイメージで、経理部門が小口現金係に現金を手渡した場合、借方が小口現金(資産の増加)、貸方が現金(資産の減少)の仕訳をすると考えると、解答の仕訳が理解しやすくなると思います。

その後、一定期間(一ヶ月・一週間など)が経過したところで、「小口現金出納帳」に記録しておいた小口現金の使用状況を、小口現金係が経理部門に報告します。

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例えば、「1月31日、小口現金係から、1月中の小口現金での支払いについて、旅費交通費8,000円、通信費12,000円との報告を受けた」場合、経理部門は下記の仕訳をします。

小口現金使用時の仕訳

小口現金で旅費交通費と通信費を支払ったため、上記のように、貸方に小口現金(資産の減少)の仕訳をします。

なお、例えば、旅費交通費の支払い日が1月10日、通信費の支払い日が1月20日であっても、小口現金係から報告を受けた1月31日付けで、1月中の小口現金での支払い分をまとめて仕訳します。

ここまで、1月1日(月初)の小口現金の残高は50,000円でしたが、1月中に20,000円(8,000円+12,000円)を使用したため、1月31日(月末)には小口現金の残高が30,000円になってしまいました。

そのため、1月31日、経理部門は、小口現金係に現金20,000円を渡し、下記の仕訳をします。

小口現金補充の仕訳

上記の仕訳により、小口現金の残高を再び50,000円にして、2月1日(月初)を迎えます(月初の小口現金の残高を、常に定額の50,000円にします)。

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このように、

小口現金係に、少額の支払いに必要なお金の管理を任せ、

一定期間(一ヶ月・一週間など)が経過したところで、経理部門が、小口現金係から小口現金の使用状況を報告してもらい、

使用した小口現金の分だけ、経理部門が、小口現金係にお金を渡し、

期間の初めの小口現金を、いつも定額の状態にしておく仕組みを「定額資金前渡制度」といいます。

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