【簿記】「前受収益」と「前受金」の違い

問題

建物の貸し付けを行っている当店は、平成☓1年9月1日に6ヶ月分の家賃600,000円(@100,000円×6ヶ月)を現金で受け取っており、平成☓1年12月31日の期末を迎えた。なお、当期は平成☓1年1月1日〜平成☓1年12月31日である。

解答

(借方)

受取家賃 200,000

(貸方)

前受家賃 200,000

解説

(注)解答の貸方は、「前受家賃」に代え「前受収益」でも正解です。

この問題の前提として、平成☓1年9月1日に、下記の仕訳処理が行われています。

(借方)

現金 600,000

(貸方)

受取家賃 600,000

家賃を、当期分400,000円(@100,000円×4ヶ月)だけでなく、翌期分200,000円(@100,000円×2ヶ月)も合わせて受け取った場合、上記のように、翌期分も含めた金額600,000円で仕訳処理します。

そして、この問題の決算整理(期末)において、翌期分の家賃を減らし、決算整理後の受取家賃が当期分のみの金額400,000円になるように修正します(当期に、翌期分の家賃を受け取ったが建物を貸し付けるのは翌期であるため)。

したがって、借方が受取家賃200,000円になります。

その際、「先にお金を受け取った分だけ、後で(翌期に)建物を貸さなければならない義務」を、前受家賃(または前受収益)で表します。

したがって、貸方が前受家賃(または前受収益)200,000円になります。

このように、決算整理(期末)において、翌期分の収益を減らす仕訳を「収益の繰り延べ」といい、前受家賃(前受収益)を「経過勘定項目」といいます(経過勘定項目という名称は覚える必要ありません)。

なお、翌期には、当期末に繰り延べた建物の貸し付けが予定されているため、翌期首において、下記のように、当期末の「収益の繰り延べ」の逆仕訳(再振替仕訳)を行い、翌期分の受取家賃を計上するとともに、前受家賃(または前受収益)を減少させます。

(借方)

前受家賃 200,000

(貸方)

受取家賃 200,000

ちなみに、「前受収益」と名称が似ている勘定科目に、「前受金」があります。

「前受収益」とは、上記のとおり、翌期の収益を既に受け取った場合(翌期の受取家賃・受取地代などの[収益]を、当期に受け取った場合など)に用いる勘定科目です。

「前受金」とは、商品を販売する際、実際に商品を引き渡す前に代金の一部(手付金または内金)を先に受け取ることがあり、この場合に用いる勘定科目です。

したがって、「前受収益」と「前受金」は、取り扱いが異なりますのでご注意下さい。