「利益準備金」ってなに?積み立てる理由は?

資金調達の方法

会社を経営するには、お金が必要です。

まず、お金を調達しなければなりません。

お金を調達する方法には、大きく分けると、2種類あります。

1つは、銀行等から借りる方法です。

もう1つは、株主(投資家)から出資を受ける方法です。

銀行等から借りる方法

銀行等からお金を借りた場合の仕訳は、下記のとおりになります。

借入金の仕訳

ただし、銀行等から、タダでお金を借りることはできません。

借りたお金を返す際、銀行等に利息を支払わなければなりません。

借入金返済時の仕訳は、下記のとおりになります。

借入金の返済仕訳

株主(投資家)から出資を受ける方法

株主から出資を受けた場合の仕訳は、下記のとおりになります。

資本金の仕訳

なお、株主から出資を受けても、原則として、そのお金を返す必要はありません。

代わりに、会社が利益を得た(儲けた)場合、利益の一部を株主に還元します。

これが配当金です。

そして、配当金を株主に支払うかどうかや、配当金を株主にいくら(金額)支払うかは、株主総会の時(繰越利益剰余金の処分時)に決めます。

利益準備金

利益準備金について、会社法という法律で、下記のように定めています。

『株主に配当金を支払う場合、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、利益の処分として支出する金額(配当金の金額)の10分の1を利益準備金として積み立てなければならない』

算式で示すと、下記のとおりになります。

① 資本金 × 1/4 − (資本準備金+利益準備金)

② 配当金の金額 × 1/10

③ ①と②のいずれか小さい方

例えば、下記の株式会社ABCが、株主総会において、5,000,000円の配当を決議した場合の利益準備金の積立額を計算してみたいと思います。

[ 株式会社ABC ]

資本金 200,000,000円

資本準備金 20,000,000円

利益準備金 19,000,000円

① 資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまでの金額

200,000,000円 × 1/4 − (20,000,000円+19,000,000円) = 11,000,000円

② 利益の処分として支出する金額(配当金の金額)の10分の1の金額

5,000,000円 × 1/10 = 500,000円

③ ①と②のいずれか小さい方 ∴ 500,000円

株式会社ABCは、5,000,000円の配当を行い、利益準備金を500,000円積み立てることになります。

なお、この場合、株主総会時(繰越利益剰余金の処分時)の仕訳は、下記のとおりになります。

繰越利益剰余金の処分時の仕訳

そして、配当金を株主に支払う際の仕訳は、下記のとおりになります

配当金の支払い仕訳

利益準備金を積み立てなければならない理由

会社が儲けたお金(利益)を、全額、株主に配当金として還元してしまうと、銀行等に借金を返せなくなってしまう可能性もあります。

そうなると、銀行等は困ってしまいます。

したがって、銀行等に返すお金を会社内に残しておくために(銀行等の債権者を保護するために)、株主に配当金を支払う場合であっても、利益の一部を利益準備金として積み立てなければならないのです。