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買掛金(仕入債務)の増加額
キャッシュフロー計算書は、現金が当期にどれだけ増減したのかを知るための書類です。
キャッシュフロー計算書(間接法)の「営業活動によるキャッシュフロー」の項目に、「買掛金の増加額」というものがあり、なぜ、税引前当期純利益にプラス(加算)するのか、理解に苦しんでいる方もいらっしゃると思います。
そこで、この記事では、簡単な具体例を用いて、税引前当期純利益に「買掛金の増加額」をプラスすると、現金の当期増減額が算出できる仕組みを確認したいと思います。
具体例
一年間の取引を、下記①②のみとした場合。
(期首の現金残高300円・期首の買掛金残高0円)
① 商品Aを300円で仕入れ、代金は掛け(後日支払い)とした。
② 商品Aを450円で販売し、代金は現金で受け取った。
(期末の現金残高750円・期末の買掛金残高300円)
解答の手順(1)
まず、当期に現金がいくら増えたのかを確認してみます。
商品Aを掛け仕入れしました。
この時点で仕入れ代金を支払っていないため、現金残高は300円です。
その後、商品Aを現金450円で販売しました。
この時点で現金残高は750円です。
したがって、当期は、現金が450円(期首300円→期末750円)増えたことになります。
解答の手順(2)
次に、期末の買掛金残高の確認です。
商品Aを300円で掛け仕入れし、代金はまだ支払っていません。
したがって、期末の買掛金の残高は300円になります。
ここまでのところの確認です。
現金の期首残高 300円
現金の期末残高 750円
現金の当期増加額 450円
買掛金の当期増加額 300円
解答の手順(3)
次に、キャッシュフロー計算書(間接法)は、税引前当期純利益から始まりますので、当期の税引前当期純利益を計算してみます。
当期は、300円で仕入れた商品Aを、450円で販売しているため、売上高は450円、売上原価は300円で、税引前当期純利益は150円(450円−300円)になります。
売上高 450円
売上原価 300円
税引前当期純利益 150円
ここまでのところの確認です。
現金の期首残高 300円
現金の期末残高 750円
現金の当期増加額 450円
買掛金の当期増加額 300円
税引前当期純利益 150円
解答の手順(4)
キャッシュフロー計算書は、現金が当期に450円増えたことを知るための書類です。
キャッシュフロー計算書(間接法)では、税引前当期純利益150円に買掛金の増加額300円をプラスすれば、現金の増加額450円を知ることができる仕組みになっています。
税引前当期純利益 150円
買掛金の増加額 300円
現金の増加額 450円