簿記
会社は、
商品を売ったり買ったり
お金を貸したり借りたり
社員に給料を支払ったり
お客に電話をかけたり
など、
毎日、様々な「取引」を行っています、
そして、会社は、1年間の成績を、毎年、税務署や株主などに報告しなければなりません。
ただし、報告するといっても、口頭で報告しても信用してもらえません。
そこで、
① 毎日の取引をノートに記録し
② 1年分のノートを集計して報告書を作成し
③ 報告書を税務署や株主などに提出
することとしています。
この、上記①の作業を「簿記」といいます。
ここまでのところを、下の画像にまとめてみました。
そして、「簿記」には、記録方法の違いにより、「単式簿記」と「複式簿記」の2種類があります。
単式簿記
「単式簿記」とは、1つの取引が行われるごとに、
① 取引日
② 1つの勘定科目
③ 取引金額
を、ノートに記録する方法をいいます。
1つの取引が行われるごとに、「1つ」の勘定科目を記録することから、「単」式簿記と呼ばれています。
上記②の勘定科目とは、
現金
売上
仕入
貸付金
借入金
給料
通信費
など、簿記上の「言葉」をいい、1つ1つの取引を勘定科目を使って記録しておくことで、ノートを、細か過ぎず、見やすいものにするために用います。
報告書は、1年間の成績を税務署や株主などに報告するためのものですから、細か過ぎず、見やすいものでなければなりません。
そのため、報告書の基となるノートも、細か過ぎず、見やすい方が望ましいことから、勘定科目を使って記録することとしています。
例えば、A商品を販売した場合やB商品を販売した場合、「A商品の売上」や「B商品の売上」と記録せず、それぞれ「売上」という勘定科目で記録することで、ノートを、細か過ぎず、見やすいものにするのです。
単式簿記の欠点
単式簿記には欠点があります。
例えば、1月10日に商品を5,000円で販売して、代金を現金で受け取った場合、
単式簿記では、下の画像のように、
記録することができます。
この場合、商品を売ったことはわかりますが、代金を現金で受け取ったことはわかりません。
また、下の画像のように、
記録することもできます。
この場合、現金を受け取ったのか支払ったのかわかりませんし、商品を売ったこともわかりません。
このように、1つの取引が行われるごとに、1つの勘定科目しか記録しない単式簿記では、取引の内容を正確に把握することができません。
そのため、取引が少ない極めて小規模な会社を除き、単式簿記を使用している会社はありません。
また、簿記の資格試験で、単式簿記に関する問題が出題されることもありません。
そして、このような単式簿記の欠点を補ったものが、「複式簿記」です。
「複式簿記」は、現在、多くの会社で使用され、また、簿記の資格試験でも出題されています。