固定資産を期首に売却し、減価償却を直接法で記帳した場合の仕訳

※本ページはプロモーションが含まれています。

問題

当店は、2年前に購入した備品(取得原価:150,000円、前期までの減価償却累計額:40,000円、直接法により記帳)を、当期の期首に20,000円で取引先の五反田商店に売却し、代金は郵便為替証書で受け取った。

解答

固定資産(備品)の期首売却仕訳(減価償却は直接法)

解説

減価償却の記帳方法に直接法を採用しているため、貸方の「備品」の金額は、取得原価150,000円から、前期までの減価償却累計額40,000円を差し引いた金額、110,000円になります。

備品は当期の期首に売却しているため、当期の「減価償却費」は計上しません。

【減価償却】(定額法・定率法)と(直接法・間接法)の違い

郵便為替証書とは、お金を送る目的で、ゆうちょ銀行や郵便局で発行してもらう証書(紙)です。

お金を送る側(五反田商店)は、ゆうちょ銀行や郵便局の窓口で、送金額と手数料を支払って郵便為替証書を発行してもらい、お金を受け取る側(当店)に郵便で送ります。

お金を受け取る側(当店)は、郵便為替証書をゆうちょ銀行や郵便局に持参して、お金(現金)と交換してもらいます。

郵便為替証書は、ゆうちょ銀行や郵便局に持参すると、直ちにお金(現金)と交換してもらえるため、簿記では「現金」として取り扱います。

したがって、借方は「現金」になります。

そして、貸方が備品110,000円、借方が現金20,000円で、借方のほうが90,000円少ない借方差額のため、借方に「固定資産売却損」を90,000円計上します。

郵便為替証書について、簿記の検定試験では、お金を受け取る側(郵便為替証書を受け取る側)の仕訳方法だけ理解しておけばじゅうぶんです。郵便為替証書を受け取った場合、借方は「現金」と覚えておけばじゅうぶんです。

お金を送る側(郵便為替証書を発行してもらう側)は、備品を購入し、ゆうちょ銀行や郵便局に行って送金額と手数料を支払って郵便為替証書を発行してもらい、郵便為替証書を郵送するなど、問題文や仕訳が煩雑になってしまうため、出題されることはありません。

【簿記】当座預金を開設し、当座借越の担保に定期預金に預入れた場合

ちなみに、この問題が減価償却の記帳方法に間接法を採用している場合の仕訳は、下記のとおりになります。

固定資産(備品)の期首売却仕訳(減価償却は間接法)

間接法の場合、貸方の備品の金額は取得原価150,000円、借方は減価償却累計額40,000円と現金20,000円で、借方のほうが90,000円少ない借方差額のため、借方に「固定資産売却損」を90,000円計上します。

直接法と間接法、どちらを採用しても結果は同じ(固定資産売却損の金額は同じ)になります。

【簿記】内容不明の入金について、内容が明らかになった場合の仕訳

【日商簿記検定試験】予想問題(ネット試験・統一試験)