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[課税所得=税引前当期純利益]の場合
損益計算書には、税引前当期純利益の下に法人税等(法人税、住民税及び事業税)があります。
そして、法人税等の金額は、次の算式により計算します。
課税所得 ✕ 税率 = 法人税等
課税所得とは、原則として、税引前当期純利益の金額になります。
したがって、法人税等の金額は、原則として、次の算式により計算することになります。
税引前当期純利益 ✕ 税率 = 法人税等
▷【資産と費用の違い】試算表の借方が資産・費用の順に記載される理由
[課税所得=税引前当期純利益]でない場合
法人税等(法人税、住民税及び事業税)は、税金ですので、必ず納付しなければなりません。
しかし、税金を納付すると、会社のお金は減ってしまいます。
そこで、「税金を少なくしたい」と考える社長が出てきます。
「税引前当期純利益 ✕ 税率 で法人税等の金額が決まるのであれば、税引前当期純利益の金額を少なくすれば、法人税等の金額も少なくできる」と考えるわけです。
税引前当期純利益の金額は、次の算式により計算します。
収益 −(原価・費用・損失)= 税引前当期純利益
ということは、収益を少なくするか、原価・費用・損失を多くすれば、税引前当期純利益の金額を少なくすることができ、納付する法人税等の金額も少なくできてしまうのです。
例えば、会社の社長が、取引先の人達を飲食店で何度も接待し、多額の交際接待費(費用)を損益計算書に計上すれば、税引前当期純利益の金額を少なくすることができ、納付する法人税等の金額も少なくできてしまうのです。
納付する法人税等の金額が少なくなると、日本という国は、税収が減り、成り立たなくなってしまいます。
そこで、法人税法等の法律に基づいた正しい税額を計算し、納付してもらうように、下記の①〜④の調整を行うことになっています。
① 収益(法人税法等の法律では「益金」という)として認められないものが、損益計算書に収益として計上されている場合は、税引前当期純利益から減算する(益金不算入)
② 収益として認められるものが、損益計算書に収益として計上されていない場合は、税引前当期純利益に加算する(益金算入)
③ 原価・費用・損失(法人税法等の法律では「損金」という)として認められないものが、損益計算書に原価・費用・損失として計上されている場合は、税引前当期純利益に加算する(損金不算入)
④ 原価・費用・損失として認められるものが、損益計算書に原価・費用・損失として計上されていない場合は、税引前当期純利益から減算する(損金算入)
そして、加算及び減算後の金額を課税所得の金額として、納付する法人税等の金額を計算します。
税引前当期純利益 − ① + ② + ③ − ④ = 課税所得
課税所得 ✕ 税率 = 法人税等
(注)上記①〜④の調整を含めた課税所得の計算と法人税等の計算は、法人税等の申告書で行います。
損益計算書に税引前当期純利益と法人税等(法人税、住民税及び事業税)を記入するまでの流れは、下記のとおりになります。
・収益 −(原価・費用・損失)で税引前当期純利益を計算し、損益計算書に記入
↓
・法人税等の申告書で課税所得と法人税等を計算
↓
・計算した法人税等を損益計算書に記入
余談ですが、税理士事務所(会計事務所)でお仕事をする場合、上記①〜④の調整の知識が必要になります。
したがって、日商簿記2級合格後に税理士事務所への就職を考えてる方は、上記①〜④の調整について、例えば、法人税法の入門書籍を読むなどして、理解を深めておくと、就職試験で有利となり、また、就職後に効率良くお仕事を進めることができると思います。
▷【仕訳】圧縮記帳を直接減額方式(直接控除方式)により行った場合